No.2

ゴミ(ノイズ)を取る(その2)【複雑な被写体に乗ったゴミに有効なパッチツール】

ゴミについて考えます

 さて、No.1でご紹介しましたゴミはどうゆうものかを考えてみます。事例として挙げました三浦海岸の写真の様に、一般的に空に細かいゴミが発生することが多いです。これはおそらくフィルム表面についた細かい埃だと思います。そうだとするとフィルムの全面に埃が付いているはずなのですが、地上の被写体ではこのようなゴミは目立ちません。これは、地上の被写体では画像のダイナミックレンジが大きくてゴミが目立たないだけなのだと思います。空の様に輝度の変動幅がごく狭い場合にこのような微小ゴミが目立つのだと思います。
 このような微小ゴミが空にある状態を修正するのには、No.1でご紹介しました修復ブラシツールが有効でスピーディーに修復ができます。

 一方、微小ゴミではなくて、衣服などの繊維の欠片が浮遊するもの(わた埃ゴミ)が時々入り込むことがあります。No.1の拡大画像の中にも一つ入っています。この種のゴミは、空だけでなく地上の構造物などの被写体にも乗ってきまして画像上で認識できるようになります。
 このわた埃ゴミが空の様な均一な領域にある場合は修復ブラシツールでも十分に対応できますが、地上の被写体に乗ってくるとそう簡単には行きません。特に鉄塔、橋梁、タワーの様に複雑な構造物になってくるとお手上げ状態です。

 ご参考までに、ネガカラーやモノクロフィルムのように反転するものは画像中のゴミは白くなりますが、リバーサルフィルムでは黒くなります。

わた埃ゴミが複雑な被写体に乗った事例

 以下の写真は、2014年5月10日に霞ヶ浦の西浦にある霞ヶ浦大橋を撮影しものです。中判フィルムカメラ・ハッセルブラードSWC/Mによるモノクロフィルムでの撮影です。今、パソコンでこの画像をご覧の皆様は、どこにゴミがあるのか分からないと思います。しかしながら、小さいながらもプリントにすると分かってしまうくらいの大きさのゴミが乗っています。


ゴミのある領域を拡大します

 上の写真では細かいゴミが見えにくいと思いますので、拡大します。右の画像に示す四角の位置を拡大すると下のような画像となります。画像の真ん中にわた埃の繊維が入っていて橋梁部分に乗ってしまっています。
 これは、このシーンを作品としてプリントした場合、見えてしまうレベルですので除去しなくてはなりません。

この場合、普通はスキャニングし直します

 フィルム撮影ではフィルムが残っていますので、普通はこのやっかいなゴミを画像から取ろうとするのではなく、もう一度入念に埃を払い直してスキャニングします。これでほぼ問題解決です。
 デジタル撮影の場合はそうは行きませんね、その画像データしかないのですから。もっともデジタル撮影では、こんなゴミが入ってくることはまずないでしょうけど。

 いずれにしても、ここは画像解析手法のご紹介ですから、これでも除去可能です、という手法をご紹介します。

複雑な被写体に乗ったゴミに有効な「パッチツール」

 このパッチツール(フォトショップ)は、任意に指定した範囲を他のきれいな場所の画像に置き換えるツールです。このツールを選択し、最初にポインタで修正領域を任意に指定します。次に、この修正領域をきれいな領域までドラッグすると修正領域がきれいな領域の画像に置き換わります。パッチ(継ぎ布)を当てるような感覚で画像を修正するのですが、修正した領域の周辺で画像が不連続にならないように適度なぼかしが入ります。

 このツールでゴミ除去したのが以下の写真です。ゴミが奇麗に取れましたが、よく見るとゴミの繊維を取り除いた箇所がほんの僅かだけ白っぽくなっています。しかしながら、これは写真全体を見た際には全く気にならないレベルです。

この二つのツールでほとんどのゴミを除去できます

 No.1でご紹介しました「修復ブラシツール」とここで取り上げました「パッチツール」、この二つのツールでゴミ(ノイズ)除去はほとんどが対応可能です。

2026年3月 記